エイプリルフール2018

この日、全米(コメ)が泣いたー
美中年戦士コムギーコ仮面
ブラウン・ドリーム・ベーカリーの奇跡
監督・総指揮 パン屋のおやじ制作:王国パン協会・主演:コムギーコ仮面
STAFF:PANYA NO OYAJI. MACHI NO HITO
OKOME KAIJIN MERC, andYOU.


お米に狂ったシックル「ギャウウウウウウウ!」
村の老人「あぁー!丹精込めて育てた小麦が食われているー!」
お米に狂ったお兄さん「ハハハハッ、いいぞ!そのまま、すべての小麦粉を食らいつくせ!」
お米に狂ったお兄さん「そして、世界の主食をお米のみに!朝食はお米と味噌汁、そして焼いたお魚のみだ!」
紹介所のお姉さん「そんな……残酷よ!私は生粋の、朝はパン派だというのに!」
村の老人「お前、身も心もお米になってしまったのか!」
お米に狂ったお兄さん「なんとでも言え。俺たちはもう、毎朝パンとミルクなのはうんざりなんだ!たまには炊きたてのお米が食べたいんだよー!」
お米に狂ったシックル「ギャウウウウウウ!」
紹介所のお姉さん「なんて悲痛な叫びなの……。私たちに、彼を止める資格はないのかもしれないわ。」
村の老人「彼もまた、こう……世界?そう、世界とかそういうあれに、人生を狂わされた1人だったのじゃな……。」
紹介所のお姉さん「そう、それよ。世界とか、そういう……ね。」


FIN


ユウ「いやいや、待ってくださいよ!何も解決してないじゃないですか!」
メルク「力技がすぎるのですよ!」
お米に狂ったお兄さん「すごいハリキリ癒術士がやってきたな!俺たちを止めに来たんだろう?」
ユウ「ええ、まぁ……。」
ユウ「あの、気持ちとかはよくわからないんですけど、やめましょうよ、こんなこと。」
メルク「お米にこだわりすぎなのですよ。」
お米に狂ったお兄さん「たしかに、そうかもしれない……。」
お米に狂ったお兄さん「だが、駄目だ!俺とシックルは今、このチャンスに賭けている!」
お米に狂ったお兄さん「さぁ行くぞ、シックル!世界の小麦粉を喰らって、お米の天下を!」
お米に狂ったシックル「ギャウウウウウウ!」
ユウ「結局こうなるのか……。仕方ない、やるぞ!」
メルク「頑張るのですよ、ユウさん!」

(戦闘?)

ユウ「なんで誰も来てくれないんだー!?」
お米に狂ったお兄さん「フハハハハハッ、残念だったな!お前の仲間はすでにお米派に乗り換えているのだ!」
フェズ「お米おいしい!」
エマ「お米サイコーです!」
キファラ「朝はお米ね!」
ジネット「チョコレート!」
ティグ「お米をおかずにお米を食べる!」
お米に狂ったお兄さん「フハハハハ―!やはりお米は至高!お米を食べていれば癒術士さえも俺たちには敵わない!みんなお米だ!お米を食べるんだー!」
お米に狂ったシックル「ギャウウウウウウ!」
紹介所のお姉さん「うう、これはもうお米派になるしかないわ。パンを食べられるのはお昼ご飯の時だけになるのね……。」
村の老人「パスタ派は許されるかのう……。」
ユウ「すごいあっさりと諦めムードになった!この人たち、正直主食が何でもいいんじゃないか!?」
メルク「それは薄々勘付いていたのですよ。」
お米に狂ったお兄さん「ハハハハッ!お前たちも諦めて、おにぎりとか食べろー!」
お米に狂ったシックル「ギャウウウウウウ!」

「ギャウ!?」

ユウ「あれは……!?」
メルク「どういう原理で刺さっているのです!?」
「手こずっているようだな、癒術士よ。」
ユウ「あ、あなたは……!」

「HA・HA・HA・HA☆」
「空にメロンパンの如き月が浮かぶとき、小麦と共に私は現れる。」
「私の名はコムギーコ仮面。ふわふわのパンと、それを生み出す小麦を愛する、正体不明の紳士だ。」
「おじいさんたちが精魂込めて作った小麦を、小麦粉にする前に奪うとは……断じて許せん。このコムギーコ仮面仮面が成敗してくれる。」

メルク、ユウ「……。」
コムギーコ仮面「フフフ、久しぶりだな……。ユウくん、メルクくん。」
ユウ「どっかで会いましたっけ!?」
コムギーコ仮面「フフフ、初対面だ……。」
ユウ「ですよね!あなたみたいな強烈な人に会ってたら、絶対に覚えているはずですし!」
メルク「なぜそんな嘘を……。」
コムギーコ仮面「フフフフフフ……。」
メルク(ごまかされたのですよ……)
お米に狂ったお兄さん「ええい、小麦粉くさいやつめ!俺はお前みたいなパンパンしい奴が大嫌いなんだ!」
お米に狂ったお兄さん「頼むぞ、シックル!奴を薙ぎ払ったときこそが、ライスエイジの幕開けだぁー!」
お米に狂ったシックル「ギャウウウウウウ!」

ユウ「くっ、このままじゃ!」
コムギーコ仮面「ユウくん、あんパンを思い出せ!」
ユウ「あんパン……?」
コムギーコ仮面「あんパンはパンでありながら、餡子という和の要素も含まれた不思議な存在。その発祥は和の国だと言われたり、言われなかったりする。」
コムギーコ仮面「つまり、そういうことだ。」
ユウ「……?」
コムギーコ仮面「フフフ、そうとも。いま君が考えていることこそが正解だ。」
ユウ「……???」
メルク「何も考えられていないようなのですよ!?」
コムギーコ仮面「さぁ、行こう!あんパンスピリットで彼らの横暴を止めるのだ!」
メルク「1番横暴なのはあなたなのですよー!」


(戦闘)

お米に狂ったシックル「ギャウウウウウ!?」
ユウ「なんだかよくわからないけど、なんとかなった!」
メルク「パンが飛び交う、それはそれは混沌とした死闘だったのですよ……。」
お米に狂ったお兄さん「くそっ、これが世界の選択なのか!お米派は認められないっていうのか!」
お米に狂ったシックル「ぎゃう~……。」
ユウ「誰もそこまでは言ってないですよ?」
メルク「お米は食べたい時に食べればいいと思うのですよ。」
お米に狂ったお兄さん「シックル……。俺たちは、間違っていたのかな?」
メルク「今日はやたらと無視されるのですよ。」
ユウ「みんな異様に我が強いよな。」
コムギーコ仮面「青年よ、そう悲観することはない。君たちの信念は、決して間違いではないのだから。」
お米に狂ったお兄さん「コムギーコ仮面!」
コムギーコ仮面「有名なことわざに、『和の国の侍は米食ってるからすげー強ぇー』というものがある。」
ユウ「カジュアルなことわざですね……。」
コムギーコ仮面「そのことわざが示す通り、お米が秘めているエネルギーはすさまじいものがある。あぁ、お米は間違いなく主食に相応しい食材だ。」
お米に狂ったお兄さん「じゃあ、なぜ……!」
コムギーコ仮面「君たちはあまりのお米愛のために、とても大切な事実を忘れてしまったようだね……。」
コムギーコ仮面「パンもまた、主食に相応しい食材なのだ。」
お米に狂ったシックル、お米に狂ったお兄さん「……!」
コムギーコ仮面「朝は何食べたって、いいじゃない。」
お米に狂ったお兄さん「コ、コムギーコ仮面様ぁああ!」
お米に狂ったシックル「ぎゃううううう!」
お米に狂ったお兄さん「ごめんなさい、俺が間違っていました!あなたの言う通り、お米もパンもすばらしい主食だ!どちらかなんて、選べない!」
お米に狂ったお兄さん「これからは朝食でもパンを食べるよ!気が向いたらだけど!」
お米に狂ったシックル「ぎゃううう~!」
紹介所のお姉さん「よよよ、なんて素晴らしいの!お米派とパン派の歴史的和解だわ!」
村の老人「これはまさにロマンスじゃ!あぁ、長生きはするもんじゃの~!」
聡い少年「これからは、好き嫌いせずに、パンもお米も食べようと思わされました。」
村の老人、紹介所のお姉さん、聡い少年「わいの!わいの!」
ユウ「……。」
メルク「……。」
ユウ「チャン、チャン!」
メルク「強引な締めの言葉を……!」
ユウ「だ、だってもう耐え切れないし!早く帰って寝たい!今日のことは夢なんだと思いたい!」
コムギーコ仮面「待ちたまえ。」
ユウ「ま、まだ何かあるんですか!?」
コムギーコ仮面「お礼を言えてなかったと思ってね。」
ユウ「えっ……?」
コムギーコ仮面「ありがとう、ユウくん。君が癒術を使ってくれたお陰で、こうして事態は最善の終わりを迎えた。」
ユウ「い、いえ。それはコムギーコ仮面さんの助けがあったから……。」
コムギーコ仮面「謙遜しないでほしい。君が為したのは、間違いなく偉大なことなのだから。」
ユウ「そ、そうなんですかね……?」
コムギーコ仮面「そう、最初にクリームパンを開発したパン屋の如き、偉大で、革命的なことなのだよ、これは……。」
ユウ「……。」
メルク(クリームパンの話はいらなかったように思うのですよ……)
ユウ(パンを絡めないといけないノルマでもあるのだろうか……)
コムギーコ仮面「さぁ、これを受け取ってくれ。困ったときに食べれば、その咀嚼音が私に伝わる。きっと助けに駆けつけると約束しよう。」
ユウ「食パン……1斤。」
メルク「食べきるのは大変そうなのですよ……。」
コムギーコ仮面「では、さらばだ!君たちに小麦粉の守護があるように!」
ユウ「待ってください!あなたはいったい……!」
コムギーコ仮面「フフフ、私はコムギーコ仮面。この先にある町でパン屋さんをやっている、謎の紳士さ……。」
「では……アデュー!」
メルク、ユウ「コ、コムギーコ仮面ー!」


ユウ「……というわけでこの店に来たんですけど。」
パン屋のおやじ「いるわけねぇだろ、そんなの。」
ユウ「で、ですよね!やっぱり、あれは俺の夢だったんじゃ……。」
メルク「でも、食パンは確かに荷物の中に入っていたのですよ。」
ユウ「だ、だよなぁ……。」
パン屋のおやじ「まぁ、いいじゃねえか。夢であろうと、現実であろうと、こうやってうちの店にパンを買いに来てくれたんだ。」
パン屋のおやじ「俺にとってはそれだけで十分意味のあることさ。」
ユウ「……そんなものですかね。」
パン屋のおやじ「おう、間違いねえよ。ほら、わかったらさっさと持って行きな!菓子パン、おまけしてやるから。」
ユウ「わわっ、ありがとうございます。」
メルク「ユウさん、せっかくならあの丘の上で食べるのですよ!」
ユウ「あぁ、いいなそれ。」
ユウ「おやじさん、ありがとうございました。また来ますね。」
パン屋のおやじ「おう、いつでもこい!」
パン屋のおやじ「……。」
パン屋のおやじ「まったく、店の場所を明かすなんて論外だ。謎でも何でもなくなるじゃねぇか!」
パン屋のおやじ(後輩)「すまねぇ、兄貴。どうせだったら宣伝しておいたほうがいいと思って……。」
パン屋のおやじ「まぁ、これから慣れていきなよ。俺も、センオンにいるおやじも、観光都市にいるおやじも、数をこなすうちに、コムギーコ仮面として成長を……、」
「きゃあああ、クロワッサンが上手に焼けないわー!」
パン屋のおやじ「助けを呼ぶ声……!」
パン屋のおやじ(後輩)「行ってくれ、兄貴!店番は引き受けたぜ!」
「おう、任せたぜ!……とうっ!」
コムギーコ仮面「空にメロンパンの如き月が浮かばなくても、パン作りで迷う乙女がいれば、私は現れる……。」
コムギーコ仮面「私の名はコムギーコ仮面。パン作りをする少年少女と、作られたパンを愛する、ただのしがない紳士だ。」
コムギーコ仮面「フフフ、今日もカレーパンの如く華麗に。小麦粉色の幸せを提供するとしよう……。」

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