シャペルルルの魔法絵本 オープニング

シャシャ「『シャペルルルの魔法絵本』。」
シャシャ「古の童話作家シャペルルルが妖精の国の図書館に寄贈した、名前の通り、魔法がかかった絵本。」
シャシャ「だけど、この子には困った癖があってね。」
シャシャ「今の内容に飽きてしまうと、自分を白紙に戻し、新しい内容を綴るために、姿をくらましてしまうの。」
シャシャ「もっと面白い物語を綴ってくれる『登場人物』を求めて……ね。」
シャシャ「くすくす、作者に似て気難しい子だわ。」
シャシャ「今回も、その悪癖が出てしまったみたい。お陰で私は愛しき図書館と素敵な司書生活に別れを告げて、この子を探しに旅立つ羽目になったわ。」
シャシャ「でもまぁ、良しとしましょう。だって、新しい物語の始まりに立ち会えるのだもの。これに勝る喜びは……そんなにないわ。」
シャシャ「くすくす、さてさて。あなたたちは、どんな物語を綴ってくれるのかしら?」
ユウ「まさか、シャシャさんが探していた本にそんな秘密があったとは……。」
メルク「で、でも、『登場人物』と言われても、何をすればいいのです?」
シャシャ「心配はいらないわ。あなたたちはただ呼ばれた物語の中で、自分らしくあれば良いだけ。」
シャシャ「シャペルルルが望んでいるのは、そういう物語よ。」
ユウ「は、はぁ……。」
メルク「みゅ!ユウさん、私たちの体が光輝いているのですよ!?」
ユウ「うわっ、本当だ!しかもなんか……す、透けてる!?」
シャシャ「くすくす、物語が始まるようね。大丈夫、危ないことは何もないわ。」
シャシャ「どんな形であれ物語が完結すれば、あなたたちはこちらの世界に戻ってこられる。」
シャシャ「それに登場人物は、あなたたちだけじゃないわ。かつて旅路の中で縁を持った人たちや……、」
シャシャ「どこか別の場所で登場人物に選ばれた、顔も知らない誰かがきっと助けてくれるはずよ。」
シャシャ「だから、恐れないで。楽しんできなさい。これはあなたたちだけの誇りに思うべき、物語(ストーリア)なのだから。」
ユウ「シャシャさん……。」
ユウ「わかりました。行ってきます……!」
メルク「素敵なお話を期待していてほしいのですよ!」
シャシャ「ええ、当然よ。」

シャシャ「……期待しているわ。新章の綴り手。新しい主役たち。」
シャシャ「あなたたちならもしかして、あの人の求めた物語を綴って、この本を完結させてくれるかも……。」
シャシャ「くすくす。なんて、ね。」

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