第4話:グルメ紳士

ユウ「どうにか癒せたけど……、」
ホイッパー「くええ~っ!」
メルク「なんだかイライラしてるようなのですね~。」
ホイッパー「くえ……っ?」
ホイッパー「くええっ!」
ユウ「わっ!なんだよ、荷物にくちばし突っ込んで……、」
ホイッパー「ふんふん!」
メルク「匂いを嗅いでいるのですよ……。みゅ、もしかしてユウさんの持ってるお菓子の匂いにつられてるのではないのですよ?」
ユウ「ええ?そんなこと……、」
ホイッパー「くええっ!」
ユウ「みたいだな……。」
ユウ「うーん、でも、悪いな。お前は自分でご飯を採れるだろ?今までだってここで暮らしてきたんだろうし。」
ユウ「でも、俺たちはこの食料がなくなったら、調査を続けられなくなるんだ。だから、あげられな……、」
ホイッパー「くええ……っ!」
ユウ「な、なんでそんな必死な目を……。」
ホイッパー「くえっ!くえええっ!」
メルク「なにか伝えようとしてるのですよ。ええと、自分は……?」
ユウ「もしかして、お菓子をあげたら調査を手伝ってくれるのか?」
ホイッパー「くえっ!」
ゲルトルート「ふふふ、モンスターにもグルメなものはいるのだね。お菓子はまた運んできてもらえばいい。調査を手伝ってくれるというのなら、断る理由はないさ。」
ユウ「わ、わかりました。じゃあ、これ……、」
ホイッパー「はぐっ!はぐはぐはぐっ!」
ユウ「そんなに飢えてたのか……。手ごと持って行かれるかと思った……。」
ゲルトルート「我々はこの森の異形化が、他の森にまで侵食していた理由、そしてそれが止まった理由を調べているんだけど……、何か知らないかい?」
ホイッパー「くええ……、」
ホイッパー「くええっ!」
ホイッパー「くええ~。」
メルク「何かを知っているようなのですが……、これはまた難解な身振りなのですよ。」
ティーガー「だが、どうやら森に異変を及ぼしていた原因は、今はこの森にはいないようだな。」
ホイッパー「くえっ!」
ゲルトルート「ということは、その原因が移動した先で、異形化が始まる可能性があるね。急いで探し出したほうがいいかもしれない。」
ティーガー「お前、その行き先はわかるか?」
ホイッパー「くええ~。」
ユウ「その足元を見るような顔……、お菓子をくれなきゃ、これ以上は手伝わないってわけか。」
ゲルトルート「ふふふ、いいね。ユウ、どうせ森から出るんだ。彼との取引にお菓子を存分に使ってくれ。」
ゲルトルート「ただし、等価交換でね。」
ユウ「わ、わかりました。」
ユウ「じゃあ、お菓子分はよろしく頼むぞ。」
ホイッパー「くえっ!」

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